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2010年10月14日

哀愁のきのこ掃除

 きのこ採りはたのしい。

 でもあんまりあるとこれはもう仕事。

 採るのもごしたく(しんどく)なるのである。

 どうやら50年に一度というほどの当たり年らしい。
 
 うちの山などは例年30本も取れれば良い方なのだもの。

 私はひそかに、これでマツタケ絶滅するのではないかと思ってみたりする。


 とった後はもう延々と続く後始末。

 まず、きれいにゴミや土を除くお掃除。

 左マツタケ、右はコモソウなのだけれど、

 いつ終わるともない、きのこ掃除に哀愁が漂うのである。

 送って、贈って、あげて、そして残りを刻んだり、塩漬けにしたり、

 日々の仕事の上に夜なべやら、休みを削るやら。

 暇ならいいんだけどへとへとやあ。


 
 今晩のご飯は、3日目にようやく始末を終えて最後に残ったぐずぐずのマツタケの切れ端を

 ネギと一緒にだし汁に入れて、そばを茹でて投入。

 ああ、もうきのこはいらん、と思っていたけど、これはめっぽう美味しかった。

 母が食べ終えて言った。

 「長生きはしてみるもんだ。」