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2011年12月8日

どこへ行ってしまったの雀たち



 「ひと・むし・たんぼの会」久野公啓さんの今月の展示「むらすずめ」です。
 躍動感のあるすばらしい写真。
 小さな雀たちも群れになって飛び立つ瞬間は迫力があります。



 久野さんのエッセイですが、読めませんかもしれませんので。




都会でスズメが激減
という話を始めて耳にしてからもう十年がたつだろうか
彼らの営巣に必要な隅間のある建物が減ったからなだという

ならば 昔ながらの家々が建ち並ぶ農村なら大丈夫…
と思っていたが ここ2~3年 その様子がおかしい

冬の間 鳥を見ながら日本各地を巡るのだが
都市部に限らず すずめの大群を見る機会がめっきり少なくなっている

そして我が家でも 異変がはきっりと感じられるようになってしまった
昨冬 庭の餌台にやってきたスズメの数は例年のたった一割ほど
春になっても 夏になっても スズメの賑わいは回復しない
この集落には まだまだ古いタイプの家屋が多いので“住宅難”以外の問題があるはずだ
一番身近な鳥だけに どうにも心配で さびしく日々を過ごしている

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 そうして注意してみると、本当にスズメがいない。今頃から草の実をついばむスズメが目立つようになるのだけれど。雪が降ればいつもの年のようにたくさんくず米を拾いに来てくれるだろうか。

 こんなに寂しいものだと、今まで思ってもみなかった。

 沈黙の春が。そこまで来ているのだろうか。

 アメリカインデアンの酋長が、「最後の生き物がいなくなってしまったときに、人間はさびしくて死んでしまう」と言ったそうだけれど。