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2010年4月15日

籾蒔き



 いよいよ籾蒔きです。1昼夜ほど30度くらいのお湯に浸して、ぽっちりと芽を出し始めた籾を均一にまきます。

 うちは苗箱に蒔いてプールで育苗しています。手植えするので、こんな風にしなくてもよいのですが、いずれ忙しかったりして機械で植えねばならないこともあるだろうと、機械にも使える苗を作り続けようと思っているのです。

 それだけでなく、やはり管理の手間が省けるのが一番の理由かなあ。いろいろ失敗もしましたが、この頃は要点だけ抑えれば、かなりいい苗ができるようになってきました。

 民間稲作研究所から出ている。精密播種機を使って極薄蒔きに蒔いて、プールに並べて水を掛けます。そのあと太陽シートという太陽光線をはねかえす銀ぎらシートを掛けて、ハウスをどんなに天気の良い日でも締め切って置いておくと、きれいに芽がでそろってくれます。土は花巻酵素と言うところの出している、完全有機肥料の入った土を使っています。





 なあんて書くと楽ちんな感じ、ですけど、水かけすぎて芽がちっとも出なかったり、シートを取った後の手の入れ方が悪かったり、ああ、ほんとにいろいろ悩みました。悩んだ分、いろいろ試した分、稲の気持ちがすこーしずつわかってくるのかもしれません。

 苗を育てるのは楽しい。

 結果はどうあれ、育てている今がたのしい、良い仕事。

 毎年種蒔きは気を使う仕事なのですが、それより前にプールを作るのが、私にとっては大仕事でした。大きなペットボトルに細いビニールチューブをつないだ、手製の水平機(中に水を入れます)を使って、水平に水糸を張り、それに合わせて枠を作るのですが。

 壁塗りと野良仕事は好きですが、大工仕事と縫物が苦手なわたくしにとっては、この枠づくりは時間がかかって気が重いのです。その上去年は店が忙しく、見かねた今枝棟梁が、プールをつくてくれました。ほんにうれしすぎて、思わず“泣いた赤おに”(え、赤かったっけ?)になってしまった。

 ことしも気軽に「いいよ、プールつくってやるよ」と言って、パッパと作ってくれました。稲作りをやリ続ける大変さを知っている大工さんに、店を作ってもらって良かった。プールはもちろんうれしいけど、こうした同じものを大切にしている人だから、私たちの気持ちにピッタリの店ができたんだと改めて思います。

 さてさて、無事に種蒔き終わり、とにかく種を土に預けてほっとしています。芽が出る日が楽しみだなあ。