★ブログではFacebookの投稿を配信しています。最近の投稿はこちら》

2019年10月26日

Hiroomi (Facebookより)

Facebookより



豪雨洪水から一夜明けた朝。 周囲では早朝からヘリの音と消防車のサイレン。 騒がしい朝だが、  まだ電気がついて、家であったかいコーヒで一服できるだけマシだ。   千葉市緑区、自宅前の村田川が、これまでにない規模で氾濫し、冠水した。  これだけの冠水は初めてのことと、お年寄りもいう。 これからは、こうしたことが日常的にどこにでも起こることだろう。  平穏な日常の営みはそのたびに途切れる。が、人間はそれに適応してしまうもの。  助け合いと地域の絆が大切になり、人として考えられないような変な事件ばかり次々に起こる世の中も、浄化される部分も必ずあると感じる。  村田川周辺の丘の上に、2年前、ソーラーパネルが並んだ。他にも流域でソーラーのための造成があちこちで起こる。  また、昨日午前中に、台風15号に伴う地滑り斜面の現場調査にうかがった千葉県長南町も、午前中にすでに河川氾濫、道路も、冠水、これは早かった。  道路冠水はあきらかに、強引に山を切り開いての道路建設、ソーラーパネルから真先に始まっている。  こうしたことは長南町に限らないことだが、大規模に山を削っての道路建設、長南町の山中で山を削って進められている21ヘクタールもの大規模なメガソーラー、圏央道による周辺山地の荒廃など、無造作な大規模土木、建設が、町全体に及び水害土砂災害の大きな引き金になっていることを知る必要がある。   ここで方向転換しないと、この国は本当に安全に住めるところはなくなってしまう。  都会もまた、同様で、このままでは大半がごく近いうちに住めなくなることをきちんと知る必要がある。  山間地の問題以上に深刻なのが、実は、平野の水没なのだ。  今、山地に対して平地、平野(沖積平野)という、比較的平坦な地形の土地は、面積的には国土の10%程度に過ぎない。  しかしそこに、人口の50%、工場、道路、商業施設など、総インフラの75%が集中している。  その平野の安全も豊かさも実は、国土の70%に及ぶ山地の健全な営みによって守られてきたことを知ってほしい。    平野は本来、河川の氾濫、遊水と、巨大地震のたびに生じる液状化によって平坦地となったもの。  沖積平野は、陸地の隆起や海の後退によって、台地が生じて、低地とに分かれる。  台地の安定は、平坦面に自然と深い谷や川が刻まれることで土中の滞水が解消し次第に土壌構造が安定して流亡しない環境となる。が、安全な台地も、川をコンクリートで固め、ダム開発などで上流の山林本来の貯水機能が崩壊すれば、瞬く間に土地は流亡し、液状化しやすい不安定な環境へと短期間で変貌してしまう。  一方、沖積低地や谷戸と言われる谷間の平坦地は、多くは近世、桃山以降、江戸時代、河川の付け替えや素掘りの水路、溜池の掘削等によって、安定させてきた土地であって、それまでは沼地や氾濫原だったのだ。荒川低地や、最近、つくばエクスプレスや圏央道の開通に伴う、草加や八潮や、北総、常総地域、つくばなど、これまで人が住んでこなかった平地の大規模新興開発地は本当に危険だ。今のままでは多くが、いずれ毎年冠水に見舞われて住めなくなるだろう。 これまでの間、賢い先人が住んでこなかったことには、ちゃんと理由があるのだ。  そんな、沖積平野が現代、住宅はじめインフラが集中する、文明活動の中心となっている。  しかし、つい200〜300年くらい前まではその多くは人の住めない沼地だったことを忘れてはならない。 山を削り、谷を埋め、水路を固めてしまえば、土地は安定構造を失い、必ず再び、短期間で沼地遊水地に戻ってゆく。  しかも、急な大規模開発による環境の急変は弱点となって、自然はそこから優先的に元に戻そうとする、二子玉川、武蔵小杉、そして、山地を大規模に削ってのメガソーラー、そして本来の自然地形を無視した、限りなく直線に近い道路やトンネル掘削、リニアがその究極のもので、これで多くの平地は今後住めなくなるだろう。  こうした事象に対して、またダムとか擁壁とか堤防とか、小手先の土木造作で対応しようとするだろうがそれで守られるのはほんの局所的、短期的なものでしかないのだ。 これは自然の摂理だから抗いようがないこと。 そんな自然の営みに抗うことなく、むしろ積極的に働きかけて豊かな環境を保つことで人間の安全と豊かさを手にしてきた、先人の知恵から再び学び直さねばならない。  私たちの安全を黙って守り続けてくれた、自然界の摂理に基づく見えない働きに気づき、方向転換しないといけない。   こうして何度も、気づきの機会、方向転換の機会を与えてくれることに感謝と同時に、犠牲者方々に報いるためにも、方向転換していけるよう、更なる決意を新たにする。  警鐘が鳴り響いているうちに、急がないといけない。  もはやこのズタズタの国土には、平穏な春夏秋冬も五風十雨の営みも、過去のことになってしまった。  完全に住めなくなる前に大切なことに気づき、この国が、そして人も国土環境も、取り戻せるよう、心新たに奮い立つ。  今日はこれから、地元、越流した道の片付けに回る。